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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十九回 『獣道(けものみち)』 [フィクション]

弁当の戯言(たわごと)はさて置いといて、話を先に進めることにしよう。
一行は、次の日の早朝から、行動に移さなければならない。
勿論、マクシーの監視は免れないであろう。
上手く巻ければいいのだが、さもないと、黄金のことがバレたら大変な事になる。
本国に通報されでもしたら、オスカル提督は失脚、黄金も没収ということになりかねない。

誰にも増して、阿鸞は緊張していた。
次の日の朝も、誰よりも先に起きたぐらいだ。
そうして一行は、朝食を済ますと、安泰幌めがけて出発することにしたのである。
外は、快晴であった。
安泰幌からの吹き下ろしの風が心地よく、素晴らしい旅立ちの朝である。

阿鸞を先頭に鴨野隊長は、大橋、良庵、萬久、とろ吉、馬造、松五郎、こう平に弁当を従えて、いざ出立せんと、大号令を掛けた。
一行は意気揚々として出発したが、小一時間も経たない内に、難関にぶち当たった。
道を探そうにも、何と道が無いのであった。
途中で、途切れてしまっているのだ。

阿鸞は、『恐らく山賊が道を巧妙に隠してしまったのでしょう』と言う。
山への侵入者を防ぐために、山賊が道を隠してしまったと言うのだ。
この点から見ても、山賊が追い剥ぎや物取りを生業(なりわい)にしているのではなく、単なる侵入者を防ぐために存在しているとしか思えない。
鴨野は、阿鸞の話を聞いていただけに、そう確信した。

そうなると、推測が成り立つからである。
黄金を持った、山奧屋鶴兵衛を首領とした軍団は、秘境安泰幌に姿を隠した。
彼らは、ただ姿を隠すだけでなく、道路という道路を全て塞ぎ、兵を山中に拡散し、山賊に見せ掛けて、誰も近づけないようにしたに違いない。
要するに、ゲリラ部隊を作ったのであろう。

その後、二百数十年たった今でも、彼らは、山を守り続けていると思われる。
さてこの状態を、どう打開するのか?
取り敢えず、道を探すしかなさそうである。
やみくもに行動すれば、山の中で迷ってしまい、野垂れ死ぬ可能性もある。
『ここは、私にお任せを・・・』

萬久が手を挙げながら、そう言った。
『私は山の中の生まれでして、こういう時に、獣道を探すのは慣れて居ります。』
当然であろう。
萬久こと菩薩は、甲賀の里で生まれ育ったのだ。
道なき道を、狂いなく目的地に行くことなど、朝飯前に過ぎない。

鴨野は、萬久の提案を喜んだが、松五郎は、余計に疑惑を膨らませた。
(やはり、こいつは怪しい・・・)
伊賀の忍である松五郎も、伊賀山中で修行を積んだだけあって、山を登るくらいのことは他易い。
しかし、ここでは何も言わず、黙っていた。
萬久を、監視する為である。

監視されているとも知らない萬久は、何かを見立てていたが、ある方向に向けて手をかざした。
『こちらです。』
いとも簡単に、そう言った萬久である。
『ほほう、では皆の衆、参りましょうかのう。』
『はい!』、鴨野の言葉に、皆はそれに従った。


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第一八回 『阿鸞とマクシー!』 [フィクション]

『あ、安泰幌に呂宋焼きの名人がいると言うので、そ、その人物を探しに行くのです。』
阿鸞は、しどろもどろにそう答えた。
『何、安泰幌だと、あそこは危険だから、オスカル提督が、登山を禁止している場所ではないか?』
マクシーは、咎めるような口調でそう言った。
『ちゃ、ちゃんと提督の許可は頂いています、そ、その為に私も同行しているのですから・・・』

阿鸞は、必死になって弁明したが、マクシーは容易なことでは疑いを解くような男ではない。
『まあいいさ、嘘をついても何ればれることだ、せいぜい頑張って、山賊と戦ってくるんだな・・・』
マクシーは、捨てゼリフを吐いてそこを立ち去ったが、監視はこれからも続けるのであろう。
(全く、嫌な男に目を付けられたものだ・・・)
阿鸞は、前途に暗雲を見た心持ちになった。

元々、苦手なタイプの男である。
以前、職を辞して出家したのも、元はと言えばマクシーが原因であった。
阿鸞の昔の恋人は、同じ中華系フィリピン人で、素晴らしく美人で美脚の持ち主だった。
美脚に目のないマクシーは、彼女に目を付け口説いたが、恋人がいるからと断った。
マクシーはそれでも諦めきれず、色々な手立てを用いて彼女を落とそうと考えた。

危険を察知した彼女の父親は、彼女を中国の実家に帰してしまったのだ。
しかも、恋人である阿鸞にも、何も告げずにである。
悲観した阿鸞は、失意のあまり離職し出家したが、心の傷も少し癒えたので再びオスカルに仕えた。
以後は、今現在の通りである。
以来、阿鸞はマクシーには恨みさえ抱いていたと言っていい。

しかし、二年間の出家生活で、阿鸞は、恨みの心を少し和らげた。
こうして、会話が出来るようにまでなったのには、紆余曲折があってのことだ。
その話はいい。
鴨野は、食事中にも拘わらず、阿鸞が将校と揉めている様子なのを気にして、二人の話が終わると、すかさずその理由を訪ねることにした。

阿鸞の説明を聞いた鴨野は、暗澹たる気持ちになった。
(これからと言うときに、スペイン側から邪魔が入りそうなどとは・・・)
と考えて、少々憂鬱になった。
『気にすることはないですよ!』
話を聞いていた大橋が、口を出した。

宿が提供した、スペイン産ワインを大分飲んだとみえて、少々上機嫌ではある。
『そんなスペインのタコ野郎、拙者が蒲鉾にしてやりますよ。!』
いとも簡単に、そのようなことを言う。
『いやいや、兄貴が出るまでもねえ、おいらが埋めてやりまさあ・・・。』
とろ吉までもが、それに賛同した。

何事に置いても慎重な鴨野は、彼らの発言を頼もしくも思いつつも、窘めながらこう言った。
『いやいや、無理に事を荒立てる必要も御座るまい、ここはひとつ穏便に参りましょう。』
『あっ、それじゃあいい案があるよ!』
同じくワインを飲んで酔っ払っていた弁当が、いきなり口を挟んできた。
『なんだあおめえ、急によお、女の癖に・・・・・』、こう平が不安がってそう言う。

『まあ、あたいの話を聞きなよ、あのマクシーて男、大の美脚好きだってえ話じゃないの、だったらさあ、いざという時ゃあ、あたいのこの自慢の脚を見せつけてやってさあ、あいつの目が釘付けになっている隙に、ふん縛って転がしてやれば良いんでないの?』
弁当が陶酔した顔をしながら、大法螺を喋るのを聞いた大橋は、とてつもない大声で一喝した。
『べらぼう奴、おめえの出る幕じゃねえ、引っ込んで、おととい来やがれえ・・・』


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十七回 『強敵登場!』 [フィクション]

萬久の取り出した火薬弾で、松五郎は、忍者としての誇りを取り戻した。
(もうちょいとで、お奉行様の信頼に傷を付ける所だったぜ。)
北町奉行、遠山金四郎の密偵であった自分を、やっと思い出した松五郎である。
調理人勝負で大橋に挑んだことを、今更ながらに恥じた。
(とにかく、萬久の野郎くせえぜ・・・、暫く見張っていよう。)

そう心に誓う、松五郎であった。
松五郎と同じく、萬久に疑問を持った人物がもう一人いる。
医師の、又場良庵であった。
医者と言うものは、人間を観察することには長けているものだ。
顔色や声色などを、常に観察する癖が付いている良庵は、萬久の変化に気づいていたのだ。

但し、憶測だけで、滅多なことは人に言えるものではない。
確かな証拠を掴んだ後で、鴨野に報告する積りでいる良庵である。
二人の人間から、監視されているとも知らない菩薩は、上手くごまかせたと胸を撫でおろした。
さしもの甲賀の手練忍者でも、自信過剰になれば脆いものだ。
忍者も人の子、自分の腕に自惚れたときに、敗北がやってくる。

一行は、それから二日の行程で、とうとう安泰幌の麓までやってきた。
弁当は、女ながらに達者な足で、夫のこう平が疲れた時には、背負ってやるくらいの強者だ。
但し、酒癖は非常に悪く、前回のウエルカムパーティーの時などは、大橋と大酒の飲み比べで酔いつぶれたので、こう平がおぶって宿舎まで運んで帰ろうとしたが、優男(やさおとこ)の力不足で適(かな)わず、見兼ねた大橋が、代わりに背負って宿まで運んでやったくらいである。

余談は置いといて、隊長である鴨野は、麓の宿屋で一晩を過ごすことに決めた。
まだ日は高かったが、これからの山越えはきつく、歩くにも時間が掛かりそうなので、まずここで、情報収集をするべきだと考えたのである。
この宿は、山を監視するスペイン提督軍の、高級士官なども良く利用するようで、結構な広さである。
中には、阿鸞と顔見知りの将校などもいて、互いに挨拶を交わしていた。

夕食は、階下の大食堂で全員一斉に取る事にしたが、その食事中、阿鸞の元に、一人の将校らしき人物が近づいてきてこう言った。
『おい阿鸞、大分羽振りがいいようだな・・・』
話し掛けてきた男は、人を睨め回すような目つきをしていて、いかにも抜け目が無く狡猾そうだ。
阿鸞は、その男を見ると、一瞬露骨に嫌な顔をしたが、直ぐに表情を変えてこう言った。

『これはこれは、マクシー殿、手前が羽振りがいいなどとは、とんでもありませんよ。』
『ふん、どうだかな、何でも提督に言いつけられて、この日本人達を、案内してるらしいじゃないか?』
マクシーと呼ばれた男は、オスカル提督の目付将校である。
提督の理非曲直(りひきょくちょく)の全てを、本国に通報する役目で、例えオスカルと云えども、彼には一目置く存在であると云えよう。

マクシーは、オスカル提督達のこの度の歓迎パーティーといい、腹心の阿鸞が、そのパーティに主賓である日本人達を、こうして連れ回していることといい、直感で、何かあると感じていた。
何か事あらば、本国に通報して、オスカル提督失脚を目論(もくろ)んでいるマクシー将校である。
臭いと睨んだからこそ、偶然を装っているが、こうして彼らを付けてきたのであった。
日本人を、どうして案内しているのか問われた阿鸞は、とっさのことに、答えに窮してしまった。

『そ、それはですなあ、この方達が、呂宋焼きの陶器を研究されたいと仰せられておりまして、それを提督が後押しをして、応援されておられるのです、なにしろ日本の徳川幕府の依頼ですから・・・』
無理矢理に言い訳したが、そのようなことで納得するようなマクシーではない。
『けっ、まあいいさ、それで今から何処へ行くんだい?』
マクシーは、舌打ちをしながらも、鋭く突っ込んだ。


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第一六回 『もう一つの旅立ち』 [フィクション]

痛風になったおやじは一先ず置いといて、話を鴨野達一行に戻そう。
神事屋一行に遅れること数刻後、阿鸞を案内人にして一行は、意気揚々と提督邸を後にした。
オスカル提督夫婦は、『ほな気いつけてなあ・・・!』、と言いながら見送ってくれた。
鴨野は、『皆の者、気をひき締めて参ろうぞ!』、とハッパを掛けたが、出発からまだ一刻も経たないうちに、馬造が、『ああ、腹減ったあ』とへたりこんだので、大橋ととろ吉に、ぼこぼこにされていた。

『ああ、兄さん達、アイタタタタタタタ!』
そう言って喚いているが、実はこの男に取っては、これが快感なのである。
早めの昼食を済ました一行は、安泰幌を目指して、どんどん進んで行く。
途中で、案内人である阿鸞が、鴨野に安泰幌の説明を始めた。
彼の説明とは、こうである。

黄金と共に、安泰幌に逃れた山奥屋鶴兵衛達一行は、そこで姿を消した。
当時の安泰幌は、現在に比べて相当未開の地である。
近年は相次ぐ住宅開発で、道路事情も格段に整備されてきた。
が、当時は山越えも大変な上、山賊までもが生息している危険地帯で、オスカル提督の祖先のラスカル提督も、このゲリラ的存在に悩まされ、追跡の手を諦めざるを得なかったのだ。

オスカル提督の代になり、ラスカルの日記を元に探索してみたが、全然手掛かりが見つからない上、山賊が今でも健在なので、容易に手が出せない。
しかもその山賊は、恐らく山奥屋鶴兵衛の手下であった者達の子孫らしく、安泰幌の秘境を守るために、存在しているのではないかと言うのである。
その証拠に、今でも彼らは、日本語を使っていると言う。

全くもって謎だが、日本人のことなら日本人なら分かるだろうと言う、オスカル提督の思惑だ。
阿鸞の説明を聞いた鴨野は、(これは容易なことじゃないぞ)、と思った。
山賊がはびこっている話など、聞いていなかったからだ。
この一行で、戦闘の役に立ちそうなのは、自分と大橋、そしてとろ吉位のものであろう。
勿論、怪我をした時には良庵がいるから多少は安心だが・・・・・

鴨野は、取留めの無いことばかりを考えていた。
(そうだ、ここは萬久殿に相談してみよう。)
そう思いついた鴨野は、萬久に近づき話し掛けた。
そして、山賊の話を持ちかけたが、意外にも彼は、『全然恐れるに足りず!』、と言う。
『いざとなったら、ここに火薬弾がありますよ。』

萬久はそう言って、自分の荷物の中から、筒のような物を取り出した。
『この筒の導線に火を付けますと、中に入っている火薬に引火し爆発します、まあ、一つの火薬弾で3~4人の敵は倒せましょう。』
『ほほう!』
鴨野は驚いた。

萬久が、このような物騒なものを持っていることに、驚きを隠せなかった。
『いやあしかし、萬久殿がこのようなものをお持ちとは・・・、意外で御座るのう。』
『ああ、い、いやこれは密貿易で手に入れた物でしてな、南蛮渡来の品物で御座います。』
萬久は、内心ドキっとしながら、慌てて言い訳をした。
甲賀の飛び道具だとは口が裂けても言えない、萬久こと菩薩の化身である。

(おや、あれは・・・・・)
一行の後ろの方にいた松五郎は、目ざとくも、萬久が取り出した火薬弾を盗み見た。
(あれは、甲賀に伝わる火薬弾ではないか・・・?、何故あの男があのようなものを?)
流石に松五郎も、公儀お庭番の血を引く伊賀の忍者である。
大橋に美国猛男を盛られ、一時は廃人のように見受けられたが、これで目を覚ましたようだ。


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第一五回 『神事屋の悲劇』 [フィクション]

『うひゃひゃひゃひゃ・・・』
神事屋が、思わず飛び起きた。
猛烈な、腹痛に襲われたのだ。
『かっ、厠(かわや)じゃー、かかか厠じゃー!』
もう、てんやわんやの大騒ぎである。

隣で寝ていた、リコのの身体を蹴飛ばして、便所めがけて飛び跳ねて行った。
数分後、少しすっきりした顔で戻って来たが、暫くするとまた腹痛が襲ってきて、すぐさに便所に駆け込むことを、十数回も繰り返さねばならなかった。
お陰で、リコもちっとも寝られはしない。
数分置きに便意が襲ってくるので、神事屋はここ数時間の内に、げっそりとやつれてしまった。

外でその様子を伺っていた三河屋は、その神事屋の慌てぶりを見て、声が出して笑うのを、堪えるのにもう必死であった。
(まことに、菩薩から貰ったこの甲賀秘伝の下し薬は良く効くわい、へへへ、神事屋ざまあみろ・・』
三河屋は、もう楽しくて仕方が無かった。
殺すとか何とか物騒な復讐とかよりも、三河屋はこういう復讐の方が、百倍も好きな男である。

もはや次なる手立てを考えて、神事屋を、どう苦しめるかを考えているくらいだ。
そうとも知らない神事屋は、原因不明の腹痛に悩まされ、とうとう厠で夜を明かす格好になった。
しかも、夜中に騒いだのと、明け方になっても厠を神事屋が独占していたことで、民家の家族から顰蹙を買い、可哀想なことに、そこを追い出される形になって、一行四人は再び旅の空に出た。
当の神事屋は勿論、騒ぎで寝られなかったリコや女達も、もうふらふらである。

しばらく道を歩いたが、今度は民家が全く見当たらなくなってしまった。
神事屋は、相変わらず下痢が止まらない。
時々林の方へ行き、腰を屈める作業を、幾度となく繰り返している。
亀よりのろい道中とは、このことであろう。
歩いても歩いても、次の民家が見つかるまでは、休むわけにはいけない。

地獄の行進は、炎天下の中、ずっと続けられたのである。
神事屋が、もはや脱水症状で意識を失なわんとした時に、その奇跡はおこった。
急に雲が掻き曇り、雷鳴が鳴り響き、凄まじい雨が降り始めたのである。
地獄に仏とはこのことだ。
神事屋は、すんでのところで意識を取り戻したのであった。

雨は、一刻ほどでやんだ。
神事屋一行は、元気を出して、また前へ前へと歩き始めた。
道は少々ぬかるんでいたが、先程の炎天下のことを思えば、遥かにましである。
その内に、次の民家も見つかり、一行は、そこに泊めて貰うことになった。
神事屋は、その汚れた身体をシャワーで洗い流し、横になり昨日からの疲れを取ることにした。

二刻程ぐっすり寝ると、今度はお腹が空いてきた神事屋だ。
リコに頼んで、民家の人間に食べ物を用意してくれるよう頼み込んだ。
しばらくすると、その民家の娘らしきおなごが、もち米を蒸かした饅頭なようなものと、薬にもなると言う地元の酒を用意して、神事屋の元にやってきたのである。
16~17歳位のそのおなごは、神事屋が見てもびっくりするほどの、綺麗なおなごであった。

これはこれはと思ったが、昨日の今日のことなので、自粛して食べる方にだけ専念することにした。
蒸かしたもち米のお菓子は意外に美味しく、地元の酒は胃の腑に染みてお腹を温めてくれるようだ。
『旨い酒じゃのう、これは何という酒じゃ?』
『乱婆脳苦(ランバノック)という、椰子の実を発酵させて蒸留したお酒だそうに御座います。
少女がそう答えたのを、お順が通訳をしてそう答えた。

あまりにも旨いのと、民家の美しい娘の酌で、神事屋はどんどん杯を重ねていった。
その内に、酔が回ってきたのか、自粛していたはずのあちらの欲が、ムラムラと立ち上ってきた。
民家の娘は、どう見ても神事屋の好みのおなごである。
大酔した神事屋は、娘の手を握って、いざ狼藉に及ぼうとしたその瞬間、痛みが全身を走った。
とうとう来たのだ・・・・・痛風が・・・(爆)


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十四回 『旅立ち』 [フィクション]

前にも述べたが、当時はまだ、スペインの支配地であったにせよ、その影響下は、フィリピン全土には及んではいなかった。
現在のメトロマニラ迄は支配下にあったが、武羅漢や安泰幌は、手付かずであったと言っていい。
神事屋は、リコの案内で、海岸線を北に上がることにした。
内陸部は、道が発達していない上に、山賊も多いらしい。

今のように、高速道路なども無いから当たり前だが、武羅漢までは数日掛かる見込みだ。
道が良い所までは、オスカルに借りた馬車で行ったが、ラフロードでは当然歩きである。
ラフロードと言ったが、女連れで湿地帯を歩行するのは、正直骨が折れた。
間もなく、還暦を迎えようとしている神事屋に取っては、地獄の苦しみと言っていい。
『ひいひい、はあはあ・・・・』

初日だと云うのに、神事屋はすっかりくたびれて、道端にへたりこんでしまった。
まだ日暮れまでには、相当な時間があるというのにだ。
『も、もうあたしはいかんばい、ここいらで休憩せにゃいけんと。』
こう決めたら、梃子でも動かない神事屋である。
四人は、暫くそこで休むことにした。

リコは流石に、オスカルが選んでくれた男だけのことはある。
日本語は当然駄目だが、神事屋が何を望んでいるのかが察知出来たのか、何処からか、水と食料を調達してきてくれた。
お欄の通訳によると、どうやら少し離れた所に人家があったので、そこから分けて貰ってきたらしい。
神事屋は、与えられた水と食料を食べて、少し元気が出たようだ。

暫くすると、『よし、また歩こう』、と言って、元気よく歩き始めた。
『旦那様、宜しゅう御座いましたわね!』
お順もお欄も、神事屋が元気を取り戻したことを、心から喜んだ。
神事屋は、両腕をお順とお欄に取って貰って、始終ご機嫌な様子だ。
夕刻まで歩くと、一軒の人家があったので、今晩は、そこに泊めて貰うことにした。

地元の夕食は口には合わなかったし、寝る場所といえば、麻を乾かして敷いただけの粗末な寝床であったが、お順とお欄が、按摩をやってくれたので、神事屋は、『ああ、こりゃあ極楽じゃ~』と言いながら、至極ご満悦な様子である。
しかし、こんな幸せが何時までも続いて良いのか?
知らぬこととは言え、部下の萬久が監禁されてとんでも無いことになっているのだ。

誰が許さずとも、作者が一番許さないであろう。
その証拠に、三河屋が近づいてくれていたからである。
この男なら、何とかしてくれるはずだ。
三河屋は、神事屋達が民家に入って行ったのを確認すると、夜になるまで待つと、民家の外から、神事屋達が泊まっている、部屋の前で聞き耳を立てた。

中からは、何やら女たちのキャーキャーと言う声が聞こえてきた。
三河屋は、思わず覗いてみることにした。
何と、女達に按摩をさせている最中に、お尻を触ったり、太股の方へ手を伸ばそうとして、騒がれているのが見えたから、頭に血が上ってしまった。
「う~ん、何と羨ましいことを・・・、畜生、思い知らせてやる・・・・!」

三河屋はそう呟くと、持っていた袋の中から、一服の薬を取り出した。
そして窓の隙間から手を伸ばし、神事屋が飲んでいたと見られる湯のみの中に、その包の中の薬を、全部あけてしまった。
そうして、何食わぬ顔で、そこを立ち去っていったのである。
それから数時間後の夜中のこと・・・・・・・


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十三回 『二つの道』 [フィクション]

翌日になった。
ほぼ全員、二日酔いと言っていい。
元気なのは、マイペースで飲んでいた、医師の良庵くらいのものである。
今日からは、財宝探しを本格的に行わなくてはならない。
その前に、お順とお欄を武羅漢(ぶらかん)まで送り届けなければならない。

実際は、鴨野がお順を送り届けたいのは山々である。
しかし、一行の長(おさ)としての使命が、それを許さなかった。
お欄は、馬造と一緒に行動したかったようだが、鴨野に説得されてようやく諦めた。
足手まといになるという事と、やはり、家族には会いたかったのだ。
神事屋は、萬久に武羅漢まで送らそうとしたが、何故か萬久は丁重に断った。

当然であろう。
今の萬久は、甲賀忍者、菩薩の化身なのだ。
ここで別行動にされた日には、自分の使命が果たせなくなってしまう。
こうなったら仕方がない。
元はと言えば、自分の所の従業員のようなものだ。

プロモーターであり、店のオーナーでもある神事屋なので、彼自らが送っていくことにした。
(まあ、武羅漢から少し北へ足を伸ばせば、杏屁令巣(アンヘレス)もある、あそこでゆっくり羽根を伸ばすのも良かろうてウイヒヒヒヒヒ、どうせわしが出資して実現した黄金探検隊じゃ、分け前は、鴨野殿が確保してくれることじゃろう、その方が危険も少ないし・・・)
何とまあ、打算に長けた神事屋ではあろうか・・

流石は、博多商人ではある。
神事屋は、お欄とお順を連れ、一行に先立って旅立って行った。
鴨野達一行も、オスカル提督夫婦が見送る中、道中案内役のアランを先頭に、隊長鴨野、副隊長兼食料調達長に大橋、医師の良庵、萬久(菩薩の化身)、とろ吉、馬造、こう平夫婦、おまけに松五郎というメンバーで、一路安泰幌を目指して出発した。

三河屋は、神事屋に対して、憎しみに近い対抗心を抱いていた。
同じ抜荷を生業(なりわい)にしながら、一方は、幕府の用命を受けて財宝探しの渡比。
自分の方ときたら、お咎めこそ免れたが、計画を壊された上、腹心まで失ってしまった。
神事屋達が出発したのを確認した彼は、復讐の機会を伺う為、3人の後をついて行くことにした。
物語もそろそろ佳境に入ってくが、これからは、2つに別れた道中を描いていくことになるであろう。

先ずは、神事屋の後を追うことにする。
おっと、一つ忘れたことがあった。
本物の、萬久のことである。
菩薩は、たまたま通りかかった野菜商人に、銭を渡して萬久を匿ってくれるよう頼んだ。
ご丁寧に、気が触れているから、常時縛ったままにして置いてくれとも・・・

可哀想な萬久は一先ず置いて、話を神事屋に戻そう。
前にも書いたが、神事屋のホームグランドは北呂宋である。
北部の港からは、武羅漢に行ったことはあるが、馬尼羅からは経験が無い。
この為、道案内を雇った。
端役なので名前はないが、仮にリコとでもしておこう。

リコは、オスカル提督の屋敷に仕えていた小者で、気はしが効くというので道案内にしたのだ。
その頃の馬尼羅は、アバカ麻の沢山生える、低湿地帯が多かった。
この物語の少し後の時代では、ミンダナオのダバオのアバカ農園の労働者として日本人が雇われ、第一次世界大戦後には、日本人人口も、1万人を超えたと言われている。
余談は兎も角、武羅漢までの道程は、多くの湿地帯を超えていかなくてはならない筈である。


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十二回 『萬久危うし!』 [フィクション]

女魔術師は、萬久がいなくなった所で、舞台の幕を引いた。
暫くすると、萬久だけが舞台裏から出てきて、皆から拍手喝采で迎えられた。
客席はもう、大歓声の渦である。
萬久は、照れながら自分のテーブルに戻ったが、鴨野に、『萬久殿、お見事で御座ったな!』と冷やかされると、『あははは、とんでもない。』、と言って笑い飛ばした。

大橋に感化されたオスカル提督は、調子に乗って、アイスペールカクテルを作り続け、馬造に飲ましたり、自分の部下に強制的に飲ませたりと、大変な大騒ぎになっている。
神事屋なども、ふるっていた。
怒涛の勢いで、踊り子めがけ突入して悲鳴を上げさせていたし、ドサクサに紛れて給仕女にモーションを掛けようとしたこう平は、弁当にバレて鉄肘(てつひじ)を喰らわされている。

とろ吉は相変わらずの大食漢で、酒や料理を鯨のごとく平らげていたし、松五郎は、次から次へと出てくるスペイン料理の研究に余念がない。
鴨野は、酔いつぶれて寝ている馬造に向かって説教したりと、相変わらずの天下のご意見番ぶりの中、ひとり良庵だけは物静かで、ニコニコと笑いながら、マイペースで杯を重ねていた。
宴は延々と続き、夜中の12時過ぎまで続いて、ようやくお開きになった。

そして一行は、提督の用意した宿舎に泊まることになったが、夜中に一人、その宿舎を抜け出した男があったのを、誰も知る由もない。
その男は、そっと宿舎を抜け出すと、護衛の目をくぐり抜け、海岸通りにある一軒の宿に入った。
そして、ある一室の前に来て、ドアトントンとノックすると、中から、『お入り!』、と言う声が聞こえ、男は、その中へと入っていった。

『ご苦労だったね。』
中にいた、男が言った。
『はい、旦那様。』
入ってきた男がそう答えたが、何とその男は萬久である。
『もう、そろそろ仮面を脱いだらどうだ?』

中の男は、そう言った。
『はい、旦那様、ただいま・・・』
男はそう言って仮面を脱いだが、その顔は、忍者の菩薩そのものである。
となると、中にいたのは、やはり三河屋だ。
『首尾は、上々だったな!』

三河屋は、ほくそ笑んだ。
『左様で・・・』
菩薩は、口数が少ない。
まあ、それだけ目立たないから、忍び稼業が出来るのであろう。
『この男、どうすれば良いのか?』

三河屋は、部屋の隅で後手縛りに縛られ、さる轡を噛まされて失神している男を指さしてそう言った。
『殺すには及びますまい、今のところ毎日コメントもくれておりますし、何処か遠くで、監禁しておくだけで宜しゅう御座いましょう。』
菩薩はそう答えたが、流石に菩薩の名を汚さない男ではある。
優しいこと、この上ない。

少し説明しておこう。
菩薩は女魔術師に化け、パーティ会場に忍び込んで、萬久の姿を奇術で隠すと、眠り薬で気を失わせ、そのまま萬久になりすまして、一行の前にしゃあしゃあとして戻った。
眠らされた萬久は、外で待機していた三河屋が、宿まで運び込み監禁した。
甲賀忍法、変わり身の術とはこのことであろう。


まさか、ラグーナで監禁か?、萬久の運命は?、続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十一回 『三河屋の陰謀!』 [フィクション]

一行が、歓迎パーティーに浮かれて大はしゃぎをしていた頃、三河屋と忍びの菩薩は、台湾経由で馬尼羅に到着したばかりであった。
貸切で使った汽船は、阿蘭陀商人の船だったので、港での検閲では、表向きは燃料補給のための寄港ということにして貰い、上陸許可を得た。
ここから、鴨野達一行の後を、追わなくてはならない。

上陸してしまえば、こっちのものである。
どうせ、片道切符で来たのだ。
帰りは、黄金を見つけられなければ、資金的に帰れない。
(不退転の決意を持って、臨まねばならん)
三河屋は、そう決意した。

問題は、鴨野達の動きをどう探るかで有る。
先程の検閲の時の情報だが、鴨野達一行も、どうやら先程到着したらしい。
今は、オスカル提督の元で、歓迎パーティだそうだ。
『何とか、そこに忍び込む手立てはないか?』
三河屋は、菩薩にそう言った。

『ははっ、』
菩薩はそう答え、三河屋の耳元で何か囁いた。
『うむ、そうか、ではそうしてくれ、しっかり頼むぞ!』
三河屋は、そう菩薩を励ますと、明るい顔で頷いた。
そして菩薩は、何処へとも無くすっと消えていったのである。

一方パーティ会場は、宴たけなわになり、地元フィリピン人の民族舞踊で盛り上がっていた。
お順やお欄も、自国の踊りなのに、余程珍しいのか声を上げて喜んでいる。
生まれたばかりの、赤ん坊を置いてきて沈んでいた萬久も、これには満足そうだ。
思わず、酒を過ごしてしまった。
知る人は知っているのであろうが、この萬久は、思ったより酒癖が悪かった。

酒癖が悪いと言うより、酒を飲むと女癖が悪くなると言った方がいい。
酔うと、女にちょっかいを出して、しばしば人々の顰蹙(ひんしゅく)を買うことがある。
民族舞踊は、ますます続いていったが、萬久の杯も、それにも増して進んで行った。
その内に、女魔術師によるマジックが始まった。
眩いばかりの、美人の魔術師である。

『おおっ!』、萬久は、思わず声を上げた。
思わず、飛びつきそうになるのを、かろうじて堪えた。
女魔術師は、人隠しの魔術を始めた。
箱の中に人間を入れ、一瞬の内に、その人間を消すと言うマジックだ。
今では珍しくも無いが、当時のことであるから、見た者の、魂を蹴飛ばすくらいのインパクトである。

最初は、踊り子をアシスタントにして、その子を見事に消して、大きな拍手と喝采を得ていたが、その内に、会場の中の人々から、箱の中に入る人間を募り始めた。
良庵に大橋、そしてとろ吉は、箱の大きさから見て資格外だ。
他の人を押さえて、真っ先に手を挙げたのは、言うまでもなく萬久である。
待ってましたとばっかりに、女奇術師の元に駆け寄ったばかりでなく、その頬にキスまでした。

萬久が手を挙げたことで、会場は、否が応でも盛り上がってきた。
馬造もこう平も大喜び、あの気難しい鴨野でさえ笑顔を浮かべ、大声を出して歓声を張り上げた。
萬久は、女魔術師に促され、箱の中に入っていった。
箱に入って暫くして、女魔術師が、『ヤーッ!』、と声を掛けた。
次の瞬間、女魔術師が箱を開けた時は、見事に萬久は、いなくなっていたのである。


続く・・・


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幕末ピンパブ物語 呂宋編 第十回 『ウエルカムパーティー!』 [フィクション]

安泰幌に隠れた、鶴兵衛とは何者なのか?
少し説明しておこう。
山奧屋鶴兵衛は、大阪河内で主に果物を扱っていた、秀吉お気に入りの商人であった。
南蛮渡来の珍しい果物を仕入れて売っていたのだが、珍しい物好きの秀吉の目に止まり、それ以来城へ上がって、秀吉のお側近くで物語などをする、御側衆の一人になった。

街中の事情に精通していた博識な人物で、何処そこで問題が有るといえば、秀吉に進言して修繕して貰ったり、裁決を求めたりして、施政に大きく影響及ぼす人材であった。
ところが晩年の秀吉は、年齢から来る呆けからか、正気を失ってきた。
有る人間の讒言から鶴兵衛のことを疑った彼は、思いも寄らぬことに、山奧屋の家財没収の上、鶴兵衛を、呂宋島に追放してしまったのである。

先に、謀反の嫌疑を掛けられて切腹させられた千利休といい、晩年の秀吉は、異常なまでの措置を、それまでにお気に入りだった人物にでも、容赦なく行った。
それに加えて、切支丹弾圧も行い、『伴天連追放令』を発して、信者を迫害し始めたのである。
それで、多くの迫害にあった武士や商人達は、呂宋島に逃れたことは以前述べた。
先に流されていた山奧屋を中心に、反政府軍が結成されるまでに、そうは時間が掛からなかった。

秀吉が、呂宋の壺を購入する為に送った大船団を襲って、その資金を得たが、情報を察知した、ラスカル提督率いるスペイン軍の攻撃に合い、首領である鶴兵衛と数十人の側近のみが、安泰幌の秘境に姿を眩ませたと言う訳であったのである。
さて、その後の行方は、先に述べたとおりである。
ラスカル提督は、それまでの経緯を日記に書いて、子孫のオスカルにそれを伝えた格好になった。

『まあ、そういう訳ですのや・・・』
お蓮は淡々と言い、『おほほほほ』と笑った。
『ふむふむなるほど、で、その後の足取りは、どうなりましたか?』
鴨野が、そう聞いた。
『それでなあ・・・・・』

お蓮は話を続けたが、ここは、作者が代わって説明しておこう。
オスカルは自ら志願して、極東の提督から呂宋提督になった。
本来なら降格人事ではあるが、自ら志願したので、仕方なく認められた格好だ。
表向きの理由は、祖先の赴任地を偲ぶためだが、実は財宝探しである。
オスカルは赴任すると、少数の腹心にこのことを打ち明けた。

腹心の代表格に、アランというのがいる。
中華系のフィリピン人だが、現地で雇われ、影の最高責任者として任命されていた。
外人部隊としてスペイン軍に属していたが、一時期嫌気がさして軍を辞め、出家して寺に籠って、法名を、『阿鸞』、と名乗って修行していたのだが、心境の変化で再び還俗した所を、オスカルに見いだされて再度雇用され、現在の地位に登り詰めたのである。

財宝の事も詳しく知って居り、これからの探索には、彼が同行すると言う。
オスカルが極東提督として、日本に赴任していた時に日本語を学んだので、かなり達者である。
鴨野達が、紹介を受けた時の挨拶も、そつが無かった。
『さあ、歓迎パーティーの始まりやで~!』、とオスカルが叫んだ。
一行は、パーティー会場に案内されたが、豪華絢爛とは、このことであろう。

山海の珍味に、スペイン産の葡萄酒の他に、何と日本酒も用意されていた。
中でも、ダバオ産のマグロの刺身や兜焼きは圧巻だったが、食べ物の話は長くなるのでここでは割愛するとして、いつものように大橋が大酔し、アイスペールにワインと日本酒を混ぜたカクテルを作り、それにマグロの刺身やわさびをぶち込んだ得体の知れないドリンクを、馬造とこう平に、強制的に飲ませているのには、さすがのオスカル提督も驚いた。


宴会は、まだまだ続く・・・


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